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近代ヤクザ肯定論・宮崎学・筑摩書房★★★

近代ヤクザ肯定論

朝日新聞の書評に載っていて「反転」と並んで紹介されていたので
興味をもって図書館でリクエストして借りました。

宮崎学氏自身が
ヤクザのお家で育ったので
とても説得力のある本でした。

私自身はヤクザの人が知り合いにいないので
まったく未知の世界に触れるつもりで
申し訳ないけれど興味本位で
読み始めました。

読み進めるうちに
社会からドロップアウトして
行き場のなくなった人達のために
山口組の組長、田岡という人は
色々考えてリーダーとして組をまとめ
先見の明を持って経営していたらしい。

しかし
最近では法律が変わり取り締まりが強化され
ヤクザは終焉を迎えている。

が、差別されアウトローとなった人達は今も無くならない。

だから
組に属さない素人さんのアウトロー達と連携して
おれおれ詐欺などをやらせる窓口となっている。

また、ヤクザの人達の生計?を立てるために
今後はマフィア化していくだろうという予測。

まじめに
アウトロー達の行く末を案じている著者なのだ・・・
ということが良く伝わる本でした。

これを読んだからといって
即「肯定論者」になるには
体験も考えも足りない私です。

ただ、切り捨てきることはできないような気が
漠然とさせられた1冊でした。

もし私が組長の家に生まれていたら
有無を言わさず人生をそのように歩むしかないのだから。

そう考えたら
否定しきることはできないと思いました。

ただ、白昼の発砲事件など
人の命に関わることや
悪いことをすることに対しては「良くない」と
宮崎学さんも否定していましたが私も同意見です。


普段の生活にない世界を体験できるまさに読書ならではの数週間でした。

自分の出会ってきた小さい友達の中で、あるいは娘の同級生の中で
心配な人達の将来を思って・・・
というのもあって読み始めた本でしたが、
難しい問題で、
こたえは見つかりませんでした。

ただ、
「さみしい人達のサークルなのだ・・・」いう言葉はずしりと来る言葉でした。

そうならざるをえなかった人も本当にいるんだろうなと思いました。

弱い人と言ってしまえばそれまでなのですが。
Commented by aruba at 2007-10-24 00:14 x
会社の帰り、本屋さんで探してちょっと立ち読みしました。
ほんとすごい力作ですね。歴史教科書のような情報量で、
読み応えありそう。いつか読んでみたいと思わせる本でした。
宮崎学さんの他の本にも興味が湧きました。
Commented by nanaco-bookworm at 2007-10-25 22:09
あるばさん、
>歴史教科書のような情報量で、
読み応えありそう。

・・・ですよね~。
その手のお仕事関連の資料なんて、
なかなかそろっていないでしょうによく調べたと思います。

力作だと思いますし、
ご本人自身がそう言う環境にいらっしゃったのだから
説得力もあり力作でした。

でも、歴史の教科書のようなので、時々、とばし読み(斜め読み?)しました。

だから
興味深い本ではありましたが、
万人の人にお勧めかというと少しためらうものはあります。

そして、しかし、私も
宮崎学さんの他の本にも確かにちょっと興味をそそられたのも事実です
by nanaco-bookworm | 2007-10-21 22:04 | ま行 | Trackback | Comments(2)

日々の生活で感じたことや読んだ本のことなどを書いています。コメントもいただけると嬉しいです。


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