「村岡花子と教文館」展・三浦綾子さん・平和への祈り
2014年 09月 07日
録画して夜の楽しみにとっておいていました。
1日のオワリに見ると疲れが癒されるような気がするのです。
もちろん赤毛のアンは中学時代、大好きでシリーズ全部読みました。
好きな文章はノートに抜き書きしていました。
6日土曜日、池袋に用事で出かけたのです。
用事がすんでも、幸い
元気がまだ残っていたので丸ノ内線でそのまま東京を通過して銀座で降りました。
教文館という本屋さんで「村岡花子と教文館」というテーマの展示が7日までやっていたからです。
村岡花子さんはこの教文館で編集者として、ながらく努めていらっしゃったとのこと。
入場無料の小さなスペースでの展示でしたが、
展示された年表や写真を興味深く味わえました。
DVDが流れていたのですがそこには村岡花子さんの「ラジオのおばさん」時代の実際の放送の声が流れていました。「ごきげんよう」と言っていました。
私の友人はお子さんが小さい頃からこの銀座の教文館に訪れて児童書などを買っていたそうです。
私は恥ずかしながら初めて店内に入りました。
銀座のこの界隈は娘が小さいころも家族でよく訪れましたが、
教文館という本屋さんはいつも目に入ってはいたものの、
「小さい建物なのでどうせ小さい本屋さんで品揃えもそんなたいしたことないんだろう」と
たかをくくっていたのでした。
同じ場所でも見る人がちがうとこんなにも見える世界が違うんだ・・・と実感。
それにしても、この本屋さんにどうして今まで入らなかったんだろう・・!と後悔しました。
一番感動したのは、三浦綾子さんの本がたくさん売っていたことです。
キリスト教関係の本屋さんなので
一般書だけでなく3階はフロア全体がキリスト教関係の本で埋まっていました。
イマドキの本屋さんではなかなかここまで三浦綾子さんの本は置いてません。
曾野綾子さんは最近けっこう流行ってますが。(曾野綾子さんの本も教文館にいっぱい置いてありました。私どちらも好き)
私にとって三浦綾子さんの「氷点」は青春の書なのです。
一生に一冊あげろと言われたらこの本がその候補にまずあげられるぐらい
思い入れのある本です。
氷点の他にも「道ありき」「塩狩峠」「泥流地帯」「細川ガラシャ夫人」「ひつじが丘」など、たくさん読みました。
そんな本達がたくさん置いてあったのが何よりのこの週末の感動でした。
村岡花子さんはクリスチャンと言うことで、
アン、花子、三浦綾子さん、とそれらがひとつにつながったんだなと感じた週末でした。
私自身はクリスチャンでも何でもないけど。
小学三年生の頃、半年ぐらい、近くのキリスト教会に通ったことぐらいはあります。
幼心に、キリスト教ってなんだか洋風であこがれでした。
学生時代には礼拝堂がある学校だったので
ひとりになると
たまに静かな礼拝堂にこっそり入るのが好きでした。
「村岡花子さんは、クリスチャンであり、
また、
お子さんを亡くすというご不幸をのりこえるためにも
キリスト教の『運命への服従』の教えに忠実であった。
「だから
太平洋戦争に対しても特に批判的な言動はとられず
むしろ協力する体勢だった」
という事を中島岳志という北海道大学大学院の准教授という方のツイッターで知りました。(おおざっぱな自分なりの理解なのですが)
もしそれが本当なら、
「それがやっぱり宗教という限界なんだろうな」
って思いました。
よく上田薫先生が、そんなことを言われているのを思い出しました。
まあ、
クリスチャンに限らず当時の日本人はみな、
戦争に協力しなければ非国民と言われたわけだから、
そうするのは当時はあたりまえだったのでしょうが。
でも、
その当たり前が気付かないうちにおそろしい道を導いていった
ということが後になってわかるという悲劇。
今の日本の様子をみていると、
そんな風にある日突然、戦争が始まっていたなんていうことが
絶対無いという確信が私にはもてないです。
私は普通のおばさんだし。
何の発言力も影響力もない。
政治家でもない。
だから私が何を言っても日本の時代の雰囲気を変えることはできない。
今の日本の風潮が本当に視野の狭いものだと感じているのに
たぶんそういう事をいうのも考えるのも変人のように思われるのかも知れない。
天下国家をたかがいっかいのおばさんが語ったって滑稽なだけかも知れない。
でも、でもやっぱりなんだか変だよ今の風潮。
って言うことぐらいは許されて欲しい。
赤毛のアンは夢がいっぱい。不幸なときには想像の翼を広げる。
少女パレアナも中学の頃好きだった。
どんな不幸な時にもその中の「幸せ」な部分を見つける幸せゲームにすごく共感した中学の頃。
だけど上田薫先生に出会って
「夢に浸ることもわるくないですよ。でも、そんなことで良いのですか」と問われつづけてうん十年。
ファンタジーに浸る心地よさも私にはもちろん欠かせない。
だけどそれに逃げてばかりいてもいけない。
そんな風に思う。
上田薫先生とほぼ同い年の、夫の恩師である加藤武先生はクリスチャンなのですが
先日
今の危ない日本の風潮に対して怒っていたそうです。そしてもっとしっかりその思いを伝えなくてはいけないと夫に言われたそうです。
そうなんです。そう思うんです。
ああ。それなのに。
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take9296
at 2014-09-13 07:57
x
教文館は昔からたまに行っていました(カバーが好みです)が、この展覧会は知らなかった。私はあまりよい視聴者ではないので、妻に教えてみます。
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nanaco-bookworm at 2014-09-13 10:02
takeさんは,教文館には昔からいらっしゃっていたんですね。ですよね。だって銀座の大きな通りの本屋だから。なのに我が家と来たらなぜかそういう文化がなく。家族で銀座に行くとだいたい夫の趣味で、文房具や洋服、雑貨の店巡りばかり。すごくもったいないことをしてきたんだとホント思います。これからは銀座に行ったら必ず寄ってみたいです。とはいえ、そうそう銀座に行く暇もないのですが。あと、奥様も確か花子とアンのファンでいらっしゃるんですよね!すごくよかったですよ。ただ、たしかこの前の日曜日辺りで展覧会は終わると書いてあったような気がします。でもまた追加でそのうちやるかもしれませんよ。この展覧会も実は第一弾がその前にあったのが好評だったので急遽追加の展覧会を設けたような感じでしたから。もう花子とアンも終わりに近づいてきてさみしくてたまらないです。奥様も同じような気持ちなのではないでしょうか・・・?
by nanaco-bookworm
| 2014-09-07 22:33
| 反戦の祈り
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